2 + 2 提携:コミュニティカレッジで学士号取得を目指す

コミュニティカレッジで2年 + 大学で2年 = 4年 (学士号)

米国では、9万人の留学生を含む多くの学生が、4年生大学における最初の2年分の単位取得のため、コミュニティカレッジに通っています。大学で4年間学ぶのに比べ、この形態で学べる米国内約1,200のコミュニティカレッジには多くのメリットがあります。コミュニティカレッジは、割安な授業料だけでなく、少人数制のクラスやしっかりした学生サポートも提供しています。そして、何よりもコミュニティカレッジは名門4年生大学への登竜門として位置付けられています。

米国の大学レベルの教育における最大の強みは、学生が2年制大学から4年制大学へと簡単に編入できることです。学士号を目指す学生にとって、コミュニティカレッジから4年制大学の3年次に編入することは難しいことではありません。学生は、必須とされている一般教育課程などをコミュニティカレッジで修了し、その後、大学に編入します。そして、大学編入後に専門科目を受講して学士号取得コースを修了します。学士号取得に際し、4年以上必要となる場合もありますが、このような形態は「2 + 2」として広く知られています。 

実際、多くの大学がコミュニティカレッジの「大学への編入」プログラムを修了してから4年制大学で2年間学ぶことを推奨しています。例えば、コミュニティカレッジであるサンタモニカ・カレッジで2年制大学課程を修了した学生がUCLAに編入しています。

スムーズに編入

多くのカレッジや大学が他の大学と「学士号取得に必要な単位と科目に関する合意」や「大学編入保証(TAG)」プログラムを設けています。「学士号取得に必要な単位と科目に関する合意」によって、コミュニティカレッジで受けた授業の単位が編入先の大学で無駄にならないようになっています。例えば、アリゾナ州フェニックス近郊マリコパ郡にあるコミュニティカレッジ10校は、アリゾナ大学、アリゾナ州立大学、ノーザン・アリゾナ大学と提携してコミュニティカレッジで取得した単位が編入に活かされるようにしています。

「大学編入保証(TAG)」プログラムによって、大学が指定する特定の条件を満たしたコミュニティカレッジの学生が大学に編入できるようになっています。尚、大学編入に関しては、大学が指定する平均成績、単位、TOEFLスコアが必要となるなる可能性もあります。また、TAGが適用されない専攻もあります。例えば、カリフォルニア大学アーバイン校の経営管理専攻はTAG適用外です。

一般的に、「学士号取得に必要な単位と科目に関する合意」や「大学編入保証(TAG)」は同じ州内のコミュニティカレッジと4年制大学との間で交わされる提携ですが、必ずしもそうであるとは限りません。例えば、カリフォルニア州にあるコミュニティカレッジ115校がカリフォルニア州立大学(CSU)やカリフォルニア大学(UC)の各キャンパスと「学士号取得に必要な単位と科目に関する合意」を設けています。この結果、同2大学が定める一般教育課程を無事修了したサンタモニカ・カレッジの学生は、学士号取得のために同2大学のいずれかの3年次に編入することができます。

このような提携によって、学生は割安のコミュニティカレッジから上位にランキングされている大学に編入して学位を得ることが可能になります。

文系を選ぶか理系を選ぶかは、「専攻」をどうするかによって異なります。最初の2年間、学生は、一般教育課程と同時に人文、社会科学、自然科学に関する科目を学び、専攻課程に進む準備をします。

面倒だからといって編入を思いとどまらないようにしましょう。早めに計画をすれば、大学への編入は、教育上の目標達成だけでなく米国の大学における経験を豊かにできる素晴らしい道となります。車を運転しているときに加速したりパワー変更をしたりするのにギアチェンジをするように、他大学への編入によって前に進んでさらなる成果を得ることができます。

違いについて

コミュニティカレッジは4年制大学とは異なります。以下はその違いについての説明です。

入学が比較的簡単です。英語力を証明するTOEFLのスコアや成績証明において、コミュニティカレッジが定める条件は、ほとんどの場合、4年制大学が指定する条件に比べて低いと言えます。また、多くのコミュニティカレッジは、ESL(語学学校)を併設しているか学力が不足している学生のために低いレベルの数学クラスを導入しているため、すぐにカレッジでのクラスに参加できるようになっています。

割安の費用です。コミュニティカレッジの授業料は、4年制大学の授業料と比べて20%から80%割安となる可能性があります。学士号を目指す上で、この差は大きな費用削減となります。

ほとんどの場合、クラスの人数やカレッジに在籍する学生数は4年制大学におけるその数より少なく、教師陣やアドバイザーが各学生に対応する時間が長いと言えます。最初の2年間を小規模な教育機関で学んだ地元学生や留学生の多くは大規模な大学にスムーズに編入しています。

留学生にフレンドリーな学習環境です。米国の教育システムでは、良い成績を得るために学生同士が競争するということがあります。このようなシステムは、英語が流暢に話せない留学生にとってはデメリットとなってしまいます。しかし、競争相手が少ない少人数制のクラスなら、授業によりよく取り組めるだけでなく快適に授業を受けることができます。さらに、コミュニティカレッジのほとんどが、学生が良い成績を得られるよう、無料の個別指導を提供しています。

適応が比較的簡単です。2年制のコミュニティカレッジなら、留学生は英語力のスキルアップだけでなく米国の教育システムや文化に慣れることもできます。

留学生の体験

ワシントン州にあるエドモンズ・コミュニティカレッジで学んでいるセルビア出身のデューサン・ジョキチは、コミュニティカレッジで取得した単位を利用して大学に編入し、経営管理を学ぶ予定です。

エドモンズ・コミュニティカレッジを選んだ理由は高校卒業資格を得られるだけでなく同時に順学士号を得られるからです。2つのプログラムを2年間で修了できるというのは素晴らしい機会だと思いました。現在、セルビアにいる友人と比べて1年先の教育を受けていることになります。コミュニティカレッジ修了後はOPT(オプショナル・プラクティカル・トレーニング)を利用して1年間働き、その後、大学に編入する予定です。編入希望大学としては、カリフォルニア州立大学ノースリッジ校かニューヨーク市立大学を考えています。

米国への留学とエドモンズ・コミュニティカレッジを選んだことは、ベストチョイスでした。留学を通して、目標を据えて諦めないことはとても重要なことだと気づきました。アクティビティだけでなくクラブ活動やアルバイトなど、キャンパス内には様々な機会があります。授業でしっかり学んでキャンパス内の活動に参加することは夢に向かって成功を収める鍵となります。

留学生対象の編入フェア

多くのコミュニティカレッジが「編入フェア」を実施しており、学生は4年制大学で最終的に取得できる学位について学ぶことができます。従来、キャンパス内で開催されるこのようなフェアは、学生にとって、米国内から集まった名門大学の入学手続き担当者と話ができる格別の機会となります。

例えば、シアトル市内のコミュニティカレッジで学ぶ留学生が、カリフォルニア州やニューヨーク州など、ワシントン州外の大学に編入できるかもしれません。留学生対象フェアに参加する米国内の様々な大学の担当者は大学の3年次や4年次に編入できる成績優秀な留学生を探しています。

時折、同じ地域に位置するコミュニティカレッジと共同でフェアを開催し、さらに多くの大学の担当者に参加してもらうこともあります。このような場合は、数日間のフェアとなります。