アメリカの大学でテクノロジーを学ぶ


テクノロジー / コンピューター



70年代後半から80年代前半にかけてエンジニアが世界初の携帯電話を発表した時、彼らは私たちが経験している現代社会を想像すらしていなかったことでしょう。今や携帯電話は、モバイルペイメントシステムやビデオ会議などのすべての機能を備えたポケットの中のマルチコアプロセッ サです。

現在は、以前のような基本的なものよりもむしろアイデアを含んだものが経済発展を促進している絡み合った国際市場になっていきています。技術的な進歩は世界中の人々の生活スタイルを変え続け、雇用主はこれを活用しようとしています。技術的なトレーニングを受け、ある程度の想像力を合わせ持った人には高い需要があるというのが現状です。

米国労働省によると、雇用の伸びは情報テクノロジーへの依存度の増加とシステムやネットワークセキュリティ維持の継続的な重要性によって上昇するといわれています。雇用主はハイテクポジションへの採用にむけ、最新テクノロジーの動向を理解している高学歴の優秀な人材を求めています。

現在の学生たちが将来、テクノロジーがどのように私たちの未来を形づくるかを決定していくことになるでしょう。

アメリカでのテクノロジー教育

アメリカの大学やカレッジでは、セキュリティー、ユーザーインターフェース設計、地理空間テクノロジーなど、専門的分野に特化したより多くの種類のプログラムを提供しており、各プログラムのカリキュラムは、理論と実習との両方を組み合わせたものになっています。 テクノロジー教育の新しい傾向として、「ソフトスキル」に焦点が高まっていることがあげられます。ソフトスキルとは、専門家としてやっていく上で必要とされる対人能力のことをいいます。これには口頭および文章によるコミュニケーション能力、プロジェクトマネジメント、チームワークなどが含まれます。これらのスキルを磨くことで、有能な社員となり、キャリア成功のチャンスを高めることができます。

プログラムの内容

プログラムのカリキュラムが最新のテクノロジーを反映していることは重要なことです。したがって、大学やカレッジはそれに沿った適切なカリキュラムを更新していかなければなりません。例えば、ある特定のコンピューターシステムに注目して1年を費やした後、そのシステムの考案が実現されなかったというニュースを聞く結果に陥るほど、最悪なことはありません。

また学校は、学生が興味を抱く学習分野で必要な機材を提供すべきです。たとえば、学校でネットワーク工学を学ぶのに、実習に必要な機材が提供されていなかったというのではまったく意味がありません。

特定の専門的な学位課程では、学生が高性能の工具や機材を使うこともできます。記事では読んだことがあっても、自分で簡単に手に入れることができない機材を使って学ぶチャンスを得ることほど、ワクワクすることはありません。最新鋭の機材に加えて、ネットワーク接続のスピードも同様に重要なことです。分散コンピューティングはより一般的になっているため、高速接続は現在、最優先事項になっています。アメリカの多くの大学やカレッジでも、ギガバイトのインターネット接続を提供しています。これによって学生は、制限されたインターネット接続で妨げられることなく、ネットワーク通信の新しく創造的な使い方を開発することができます。

学校を選ぶ際には、業界での経験を積んだ教授陣のいる学校を探しましょう。学校がカリキュラムを作る際に、テクノロジーの専門家のアドバイスを採用しているかというのも大切なことです。常に周辺のコミュニティーと連携して動いている学校は、新しいテクノロジーについても、いち早く知ることができます。

学位と認定証

職業向けの準学士号や職業認定証を取得すれば、テクノロジー分野のあらゆる職種で就職につなげることができます。これらの学位はテクニカルカレッジ、コミュニティーカレッジ、私立の専門学校、民間のトレーニング会社などで取得することができます。また、テクノロジー業界での経営、研究、セキュリティなどの職種に興味があれば、続けて学士や修士課程に進むこともできます。

テクノロジー分野の専攻

電気工学

ロボット工学、シミュレーション、リアルタイムシステムなどの分野において、工学とテクノロジーのもっとも高度なエリアを融合した学問分野。

コンピューターサイエンス

ソフトウェア、プログラミング言語、オペレーティングシステム、ユーザーインターフェイス、グラフィックなど高度な内容を組み込んだ分野。

情報テクノロジー(IT)

ソフト・ハードウェアのインストール・設定、データ管理、ネットワーキング、ハードウェア・エンジニアリング、データベースとソフトウェアのデザイン、システム会社経営・管理。

ソフトウェア開発

タスク実行をコンピューターに指示する業務用アプリケーションプログラムの作成。アウトプット分析、情報の流れ、コードの書き込みおよびテストなど。

ウェブ開発

標準ウェブプロトコルを使用した、サーバーベースのアプリケーション開発。機能的なユーザーインターフェース設計の能力に加え、ITとソフトウェア開発の知識が必要。

デジタルメディア関連の学位が取得できる大学

セントラル・フロリダ大学 University of Central Florida

 

オーランドにあるセントラル・フロリダ大学では、デジタルメ ディアにおける学士課程で、ゲームデザイン、ウェブデザイン、ビジュアル言語の3つの専攻分野を提供しています。

ゲームデザインでは、ビデオゲームの歴史、文化、デザインについて学びます。同プログラムは、アート、プログラミング、制作など、ゲームデザインや開発の主要な分野を学べるように組み立てられています。

ウェブデザインでは、メディアソフトウェアデザインとインターネットインタラクションのクラスにおいて、ウェ ブデザインの基礎を習得することができます。メディア業界におけるビジネス手法や情報管理についても学びます。

ビジュアル言語では、キャラクターアニメーションとビジュアルストーリーテリングのクラスにおいて、アートやストーリーテリング、技術などを習得します。

セントラル・フロリダ大学では、デジタルメディアにおいて、2つの修士課程プログラムも提供しています。ビジュアル言語・インタラクティブメディアの修士課程では、最新のメディア理論を、また美術学修士課程では、コンセプトデザインや理論的デザイン、テクニカルスキルなど、ストーリーテリングに必要とされる分野を網羅しています。

ピアス・カレッジ Pierce College

 

ワシントン州タコマにあるピアス・カレッジで のデジタルデザインプログラムには、2つの専 攻分野があります。

  • 従来のグラフィックデザイン:
    コンピューター・手描きによるイラストレーショ ン、デジタル写真と画像処理、プリントレイア ウト、ウェブデザイン
  • ダイナミックメディア制作:
    3D モデリング、2D・3D アニメーション、ビデ オ制作、DVD オーサリング、リッチメディア・オー サリング

主な授業内容:

グラフィックデザインとリッチメディア入門、生 産管理、レイアウトデザインと出版、3D モデリ ングとアニメーションの基礎、ウェブデザインと CSS、デジタル写真の基礎、ビデオ制作とDVD オーサリングの基礎、マルチメディア・オーサリ ング・システムの基礎、総合デジタルデザイン、 履歴書作成や就職面接準備への指導を含む地 元企業でのインターンシップ。

Arizona State University