アメリカのコミュニティカレッジ


コミュニティカレッジ


学士号を取得する際に、前半2年間をコミュニティーカレッジで学ぶ留学生が増えています。

これはコミュニティーカレッジを、4年制大学で学士号や修士号を取得する際の「出発地点」と見なしているからです。

この2年間は、専門分野に集中する前に、土台となる一般教養を学ぶために充てられます。

編入と職業訓練

多くの大学のアドバイザーが、学士課程の前半2年間をコミュニティーカレッジの「大学編入」プログラムで過ごし、残りの2年間を4年制大学に編入して修了するプランを勧めています。大学編入プログラムにより、コミュニティーカレッジで履修した単位を4年制大学の単位の一部に振り替え、最終的に学士号を取得することができます。

また、多くのコミュニティーカレッジと4年制大学の間で、編入がさらに容易になる協定が結ばれています。例えば、シアトルコミュニティーカレッジの1校に入学申請をする際に、ジョンズホプキンス大学キャ リービジネススクールに編入保証を申請することができます。この場合、シアトルコミュニティーカレッジで2年間履修した後、ジョンズホプキンス大学で学士課程を修了することになります。

大学編入プログラムに加え、コミュニティーカレッジでは幅広い分野における職業訓練プログラムも提供しています。経営管理やコンピュータープログラミング、看護、ファッションデザイン、ホテル・レストラン経営、ナノテクノロジー、商業写真、工学、広告芸術など、何百もの分野で学生を指導します。コース終了後には、それぞれの分野で準学士号や修了証を取得できます。留学生が最低9ヶ月の職業訓練プログラムを修了すると、オプショナル・プラクティカル・トレーニングに申し込め、許可された場合はその分野で職業経験を積むことができます。

地元社会に貢献

コミュニティーカレッジは、地元社会の教育的、職業的ニーズに対応しており、そのほとんどが州政府の援助を受けて運営されています。授業料を低く抑え、入学条件を緩和するなど、あらゆる人々に門戸を開いており、多くのアメリカ市民に大学教育を受けるチャンスを与えています。   

4年制大学との相違点

コミュニティーカレッジと4年制大学は異なります。その違いを挙げてみましょう。

ハードルの低い入学基準

コミュニティーカレッジは4年制大学に比べ、TOEFLスコアや学業成績などの入学基準が低いのが普通です。また多くのコミュニティーカレッジでは、入学基準に満たない学生のためにESL(第二外国語としての英語)プログラムや数学のクラスを設けています。

経済的な学費

コミュニティーカレッジの学費は、4年制大学に比べ2~8割も安くなっているため、学士課程の前半2年で大きく出費を抑えることができます。

学校やクラスの規模

クラス規模が小さいため、アドバイザーや教師は、学生一人ひとりにきめ細やかな対応ができます。アメリカ人学生や留学生の多くが、学士課程の前半2年間をより小規模な学校で過ごした経験が、編入後、大規模な4年制大学への適応におおいに役立ったと話しています。

授業でのサポート

多くのアメリカ人学生が良い成績を取ろうと競い合う中で、英語を流暢に扱えない留学生は不利な立場に置かれることがありますが、コミュニティーカレッジの小規模クラスでなら競争率も低く、リラックスして勉強することができます。コミュニティーカレッジでは一般的に、学生をサポートする無料のチューター制度も提供しています。

適応のしやすさ

コミュニティーカレッジで2年間過ごすことで、留学生は語学力を伸ばすとともに、アメリカの教育制度や生活習慣に慣れることができます。   

Andrea Insley, Ed.D., Executive Director, Global Initiatives at Seattle Central Community College in Seattle, Washington.