4年制大学への編入

アメリカの高等教育の強みとして、大学間での編入が容易なことが挙げられます。例えば、カリフォルニア州の学生がミシガン州の大学に編入したり、小規模の私立大学から大規模な総合州立大学へ編入するというのは、まれなことではありません。コミュニティーカレッジで必須一般教養科目を取得した後に4年制大学に編入し、そこで上級科目を学び学士号を取得することもできます。

認定の重要性

地方自治体で正式認定されていない学校間の編入はお勧めできません。地方自治体の認定を受けていない学校でコースを修了しても、別の正式認定された学校には編入できない恐れがあるからです。

編入を容易にするには

数多くの大学が、「アティキュレーションアグリーメント(大学間単位認定制度)」と呼ばれる特別な編入制度を採用しています。この制度の下では、単位や時間をほとんど無駄にすることなく編入できます。例えば、工学を専攻する学生が、ある大学で3年間学んだ後、別の大学で2年間勉強を続けた場合、合計5年間のプログラム修了時には学士号と修士号の両方の取得が可能となります。この制度は合計5年間で学業を修了するように作られているため、通称「3+2」プログラムとして知られています。

コミュニティーカレッジは通常、いくつかの4年制大学とアティキュレーションアグリーメントを結んでいます。その好例として、アリゾナ州フェニックスにあるマリコパ・コミュニティーカレッジ(Maricopa Community Colleges)が挙げられます。同カレッジは、アリゾナ州の他の3つの大学、アリゾナ大学(University of Arizona)、アリゾナ州立大学(Arizona State University)、ノーザン・アリゾナ大学(Northern Arizona University)と密接な協力関係を結び、単位移行ができるようにしています。

カリフォルニア州内にある115校のコミュニティーカレッジはすべて、カリフォルニア州立大学(California State University)、およびカリフォルニア大学(University of California)とアティキュレーションアグリーメントを結んでいます。例えば、サンタモニカ・カレッジ(Santa Monica College)で、カリフォルニア州立大学やカリフォルニア大学進学に必要な一般教育を満たせば、それらの州立大学に編入し、2年後には学士号を取得できます。

編入に際して綿密な計画を練ることが必要ですが、多少の支障があってもあきらめないでください。もちろんきちんと計画を立てれば、編入はゴールを達成する上で素晴らしい方法であると同時に、アメリカの高等教育によってより豊かな経験ができるに違いありません。車のギアを変えてエンジンのスピードとパワーが増すように、編入によってより素晴らしい成果を上げられることでしょう。

編入の際の注意事項

  • 準備は早めにしましょう。4年制大学に編入することがすでに決まっている場合は、コミュニティーカレッジにいる間に準備を整えておくことが重要です。まずは情報を収集し、アドバイザーに相談してみましょう。
  • 大学で学位を取得するにあたり、移行できる単位数には限りがあります。編入する前に、その上限を調べておきましょう。 。
  • 単位は移行できますが、成績は移せません。編入に際しては、平均成績(GPA)がある一定基準を満たしている必要がありますが、一つの大学で得たGPAが、別の大学のGPAに影響を与えることはありません。
  • 大学では通常、一般教養科目を取るよう義務付けられますが、ある大学で必須だった科目が別の大学ではそうでない場合もあります。科目の単位は移行できても、学位取得に当てられる必須単位に換算されるとは限りません。
  • 最後に最も重要なことですが、編入の手続きをする前に、必ず学校のアカデミックアドバイザーや留学生アドバイザーに相談しましょう。単位の移行に加え、新しい大学にビザのステータスを移す手続きも忘れないでください。ビザステータスの移行には、在学中の学校と編入先の学校の間での慎重な調整が必要となります。

By Ken Bus
Director of the International Students Program at Glendale Community College in Glendale, Arizona. Glendale is one of the Maricopa Community Colleges.