Learn, Lead, Serve - アメリカのサービス・ラーニング

アメリカでは、教育は教科書や教師によるものだけでなく、経験を含めた教室外の活動にまで及ぶことが多くあります。

「サービス・ラーニング」ボランティアを通じた実践的な学習経験です。学校での学習を組み合わせ、ほとんどが有意義で教育的なものとなります。

サービス・ラーニングはインターンシップと似ています。サービス・ラーニングの経験には、地域や国際社会に還元できるという付加価値があります。学生は授業で学んだスキルや知識を活かし、他の人たちをリードします。これは他の人たちの仕事を見るだけになりがちな一般的なインターンシップよりも、より教育的な経験になります。プログラムにもよりますが、このサービスで教科の単位を取得できることもあります。

留学生にとって、サービス・ラーニングは、大学の教室や企業社会の中にいるだけでは簡単に出会うことのないアメリカのサブカルチャーを見せてくれるプログラムです。貧困地域の人々と交流したり、人権を求めて奮闘しているコミュニティーの人たちと話をすることもあるかもしれません。サービス・ラーニングの体験により、授業で学んだ抽象的な概念が現実のものとなります。帰国し、貧困や環境汚染、気候変動、生息地の破壊などの課題に直面したとき、サービス・ラーニングで得た価値観やスキルが大いに役立つでしょう。

「どこへ行こうとも、どんな状況を克服しなければならなくても、またどんな環境に住んでいようとも、人々はまったく同じです。サービス・ラーニングは、自分に物事を変える力があることを認識させてくれます。」とインドネシアからやってきたマーケッティ大学(Marquette University)のTiro Daenuwyは語ります。彼は自分のスキルを故国へ持ち帰り、生活環境の改善に活かしたいと思っています。

サービスの歴史

アメリカは、奉仕やボランティア活動をする国としての歴史、同プログラムを導入する大学の増加、多様な人口構成などから、サービス・ラーニングの実践に理想的なところです。National Service-Learning Clearinghouseによると、4年制大学で約200万人の学生がサービス・ラーニングに参加しています。また、全カレッジのうち約半数が、サービス・ラーニングのコースを設けています。

学生の活動

フロリダ大学の英語学校 (University of Florida’s English Language Institute)の教授および役員のグループは、コミュニティーの構築にリーダーシップを発揮したり、国際理解と平和を推進した成績優秀な学生を毎学期ごとに選び、通常、地元のゲーンズビル地域でボランティアもしている学生に、1学期間の授業料全額を奨学金として授与しています。奨学金制度が設立されて以来 2001、43カ国17人の学生が奨学金を受け取っています。

実践知識

ボストンでは、ウェントワース工科大学(Wentworth Institute of Technology)のCenter for Community and Learning Partnershipsが、学生の専門知識を活用するサービスプロジェクトを促進しています。教授陣と学生は、ハリケーンの被災地トレメを支援するためにニューオーリンズへ出かけます。ウェントワースの学生は市街地のブロックを改修するための基本計画を用意しました。改修工事には、環境センターと洪水によって汚染された土壌の改良について地元住民に指導する実演庭園の建設も含まれています。学生はそれぞれ、旅行の費用と建設費を募金活動によって集めています。

ウェントワースのその他の取り組み

  • ウェブアプリケーションの開発: コンピューターサイエンスを専攻している学生は、都市部で食品を作っているEarth Worksなどの組織のためにデータベースシステムの開発をしたり、高齢者のためのネットワークをサポートしたりします。
  • コミュニティー設計: インテリアデザインと建築専攻の学生は、非白人警察官協会の本部で建築家と協力しています。建築物には低収入の家族のための住居、協会のための多目的施設などが含まれています。学生の貢献によりデザインとコンサルティング費用で大きく節約できました。
  • 進路相談: ウェントワースのビジネス専攻の学生は、ボストンレッドソックス(野球)財団と一緒に、経済的に恵まれない高校生にスポーツマネジメントの仕事を紹介しています。

University of Florida English Language Institute