「Cooperative Education(コープ教育)」は、キャリア構築の第一歩です。プログラムに参加した学生は、一歩先にアメリカの仕事の現場に足を踏み入れることができ、大学の学位だけでなく、専門分野に関連した職業経験を身に付けて卒業できます。
学業と職業
アメリカでは長年、900校以上の大学で「コープ教育」が採用されています。「コープ教育」とは、大学からは学業プログラムを、企業からはキャンパス外での職業経験を提供するという協力体制を指しています。
大学は就職先を探す手助けをし、企業は学生を監督し、その業績を評価し、給与を支払います。
卒業に必須
コープ教育プログラムに参加しないと卒業できないという大学もあり、その内容は学業プログラムと同様、多岐にわたっています。例えば、ウェントワース・インスティテュート・オブ・テクノロジー(Wentworth Institute of Technology)で学士号を取得するには、同校の各専攻分野の授業に組み込まれているコープを少なくとも2セメスター取ることが必要です。学生は、学士号取得プログラムの最初の3セメスターを修了し、実際の職場で有意義な仕事がこなせるだけの知識と経験を積んだ後にコープに参加します。
同校はテクノロジー分野を専門とする学校のため、建築事務所、設計事務所、エンジニアリング関連企業、ソフトウェア企業が主な参加企業となっており、実際に学生は、スミソニアン・インスティテュート、香港空港局、ゼネラル・エレクトリック社、ジレット社、フィデリティー・インベストメントなどでコープを行っています。
学生は、必ずしも大学の近辺でコープを行うとは限りません。自国でのキャリアを望むウェントワースの留学生は、アメリカ国外でコープを行います。
実際に仕事をこなすように
Wentworth Institute of Technology
ウェントワースでは、各学生にコープ専門アドバイザーが付き、学生は担当コーディネーターに何度でも必要なだけ相談するよう勧められます。また、コープの準備として、「コープ・インスティテュート」と称されている5週間のセミナーに参加することも必要です。尚、アドバイザーとの面談には、履歴書の書き方指導、模擬面接、コープ先検索サポートなどが含まれています。
大学は学生を受け入れてくれる企業を見つける手助けをしますが、実際にコープとして受け入れ先を獲得するのは学生の責任です。「現実の社会」同様、職探しを行い、面接を受け、きちんとした仕事をしていかなければなりません。
このような訓練をすることで、当校の学生は、これまでに就職活動をしたことがない学生、条件交渉をしたことがない学生、誰もが望む職業を手に入れたことがない学生に比べ、しっかりとした準備ができます。
雇用市場では、コープを経験した卒業生に対する需要が高まっています。なぜなら企業側は、授業での知識、ラボでの実施経験、スタジオでの作業、実際の職場での経験を学生が身に付けていることを知っているからです。
学生はコープによって学費を捻出できるほか、採用時にセールスポイントとなるスキルを身に付けることもできます。コープ教育プログラムを運営するスタッフは、コープが将来のキャリアをスタートさせる素晴らしいシステムであることを確信しています。
/学生からのアドバイス
「できる限り高いGPAを得られるようベストを尽くすこと。中国では高校在学中、仕事をするという経験が得られませんが、アメリカの学生は学校に通いながら仕事をしています。このデメリットをカバーするため、コープに参加する際、高いGPAは欠かせません。」
ウェントワース・インスティテュート・オブ・テクノロジー コンピュータ・ネットワーキング科 シュンジー・ツァオ(中国)
コープ教育で学生は、授業で学んだ知識を実際の職場経験に生かす機会が得られます。
- 将来のキャリアを検討する上で役立つ
- 給与が支払われるので、学費の負担を軽減できる
- 卒業後の採用機会が向上する
- 履歴書作成や面接のテクニックなど、実践的スキルが身に付く
- 生涯にわたり「学んだことを仕事に生かす」という姿勢を養える
- チームワークや批判的分析力といった職場で生かせるスキルの向上が図れる
- 収入を得ながら職業経験を積めるため、大学入学や卒業実現のチャンスに恵まれない学生の意欲を高められる
- 仕事に対する尊重心や自信が湧く
- 将来のキャリア構築に役立つ
Robbin Beauchamp is the Director of Cooperative Education and Career Services at Wentworth Institute of Technology located in Boston, Massachusetts.